ゆるやかなズームのほうが、はるかに本物らしく見える

Meta AIが作者に返した助言

写真はイメージ Photo by Misbahul Aulia on Unsplash

10/6 12:34 / 発信国:タイ

サルが犬を救う感動動画はAI製 作者が「Meta AIで作った」と認める

洪水の中を歩くサルが、水に浮かぶ犬を抱え上げ、丸太の上に乗せる。この10秒の動画が2026年9月27日にXへ投稿され、数百万回再生された。添えられたタイ語は、Snopesの英訳では「助かるなら、一緒に助からないとね」に当たる。

ファクトチェック機関のSnopesは、この動画を「偽(Fake)」と判定した。10月5日の更新で、作った本人が、MetaのAIツールを使ったと認めたことも加わった。

広がった時期も重かった。タイでは9月中旬からの大雨が続き、10月5日時点の死者は31人、影響は350万人以上に及んでいた(AP通信、タイ防災軽減局)。感動の実話として読まれる条件は、そろっていた。

検出ツールの結果は、そろわなかった

Snopesが挙げた根拠は地味だ。動画は毎秒24フレームで、長さはちょうど10秒。AIが作る動画によくある長さだ。もっと長い版も見つからなかった。犬が丸太に落ちる音と鳴き声も、映像と合っていない。

犬の右前脚が丸太から持ち上がる、5秒から6秒のあたり。Snopesが00:05:13と示す、たった1フレームだけ、その脚が細く鋭い形に変わる。前後のフレームに、その形はない。7秒を過ぎてカメラが寄ると、青い物がいくつか現れる。がれきの左側に出てくる、ヘアゴムに見える水色の小物もその一つだ。

動画編集ソフトで映像をコマ送りする画面
写真はイメージ Photo by Peter Stumpf on Unsplash

道具は、当てにならなかった。SnopesはHive、Nvidia、Pangram、TencentのZhuque、ZeroGPTの5つにかけたが、結果はそろわなかった。

AIだけで作った動画なら、傷つく動物はいない。それでも、本物の救助と作り物の区別がつきにくくなり、救助をしている団体への寄付に響きうる。動物保護団体Lady Freethinkerのケリー・バートン=ギャリー氏は、Snopesにそう述べている。

作った人は、メールで認めた

確認された最も古い投稿は、「AI content」の表示が付いたタイ語のFacebookページ「เรื่องร้อนสตอรี่」(Hot Story)にあった。メールで尋ねると、このページの利用者は、MetaのAIツールで作ったと認め、プロンプトのやりとりの一部も見せた。なぜ作ったのかは、Snopesの記事に書かれていない。

残っていたのは、演出の相談だった。1回の寄りで見せるのではなく、ゆるやかなズームにする。その選び方について、Meta AIは「はるかに本物らしく見える」(訳)と答えていた。

どう見せれば本物らしくなるかを教えたのは、動画を作ったAIだった。そして偽物だと確定させたのは、5つの検出ツールではなく、作った本人のメール1本だった。

次の視点

43万円の新型冷蔵庫、錆びて見える

Xで話題のアクア「AQR-DUX51B」

ジャンルを変えて「おもしろ」から。いま読まれています アクアの新型冷蔵庫が錆びて見えるのは、わざとだった

中止が4公演。倉敷は、無事に終わった

徳永英明、喉の不調からツアー復帰

ジャンルを変えて「エンタメ」から。いま読まれています 徳永英明、喉の不調から復帰 倉敷公演を無事に終える 中止4公演はどうなる?

40年仕入れてるけど、
こんな値は初めて

――エドノフーズの江戸野誠一郎社長

ジャンルを変えて「政治経済」から。いま読まれています 銚子のサバ加工、約2割が倒産や廃業 国産に替える道はあるのか
出典

いま読まれている記事

  1. 12040年度までに県立高145校減 富山県は「閉校」の表現をやめた
  2. 2「PayPayで十分」は本当? JR東「teppay」の還元率を比べてみた
  3. 3「ブルーウォーカーにスマホ乗っ取られた」 ラヴィット!6年目で初の遅刻
  4. 4タイ王妃が737を7時間操縦して北海道へ 冷ややかな声は、なぜ出てこないのか
  5. 53位DeNAが日本シリーズへ 今年できた「2勝アドバンテージ」はなぜ使われなかった
← トップへ戻る