勝手に決済された分は、
戻ってくるのか
――SBI証券のFX、779口座で誤ったロスカット
写真はイメージ Photo by Tötös Ádám on Unsplash
SBI証券のFXで779口座が誤って強制決済 自分の建玉は戻ってくるのか
SBI証券が10月14日、FXの「株券担保サービス」でシステム障害が起きたと発表した。担保に入れていた株の値段が口座の計算に入らず、取引を続けるお金が足りないと誤って判定された。本来なら起きないはずのロスカットが、779口座で走った。10月12日の取引開始から13日午前5時30分までのことだ。
株は、ちゃんと預けてあった。ただ、数に入っていなかった。
担保の株が、計算に入らなかった
なぜ、そんなことに。発表では、原因が2つ重なっている。
1つは、人の手の作業だ。システムの運用を任された再委託先であるインターネットイニシアティブ(IIJ)の担当者が、10月10日の未明、担保の株のデータが遅れて届いたのを、別の処理と取り違えた。やり直すべき取り込みをしないまま、午前3時19分、後ろの処理だけを動かした。入らなかったのは代用有価証券情報と株価終値情報の2つ。これがないと、担保の株がいくら分になるのか出せない。
もう1つは、システムの作りだ。要るファイルがそろったかを確かめる仕組みが、入っていなかった。だから2つが欠けたままでも、処理は止まらない。代用評価額が入らない口座ができ、保証金が足りないと判定され、強制決済が走った。
779口座は、2つに分かれた
では、自分の口座だったらどうなるのか。SBI証券は、「障害がなかった場合の状態」に戻すのを基本にするとしている。ただ、779口座が同じ扱いになるわけではない。
誤って決済されたあと、取引も入出金も、担保の有価証券を動かす指示もしていない口座が、407あった。この407口座は、13日午前4時から5時30分の臨時メンテナンスで評価額を入れ直したうえで、建玉が決済前の状態に戻された。戻してほしくない人は、申し出れば受け付ける。
残りの372口座では、誤った決済のあとに取引や入出金、担保の有価証券を動かす指示のどれかがされていた。まとめて戻すことはせず、戻したいかどうかを一人ずつ聞いて決める。ロスカットを避けて自分で決済した人も、同じ個別の扱いだ。
決済のあとに動いた人のほうが、手続きの残る側に回った。
自分が対象かどうかは、どこで分かるのか。SBI証券は13日、WEBサイトにログインしたあとの「重要なお知らせ」で対象者へ案内を流したという。電話の窓口はカスタマーサービスセンターで、受付は平日の8時から17時まで。番号は0120-104-214(固定電話)と0570-550-104(携帯電話)だ。
外部からの不正アクセスではなく、個人情報や資産の情報は漏れていないという。再発防止には、ファイル連携の確認手順の見直しと、再委託先まで含めた委託先の監督の強化を挙げた。
ネットの評判
この障害を伝えたITmedia NEWSの記事には、はてなブックマーク(記事を保存して一言を付けられるサービス)が10月14日夜の時点で115人分ついた。コメントには、システムの作りを責める書き込みが目立つ。「入力の不備を素通しするというシステムの問題がきちんとあげられてるのに、再発防止策はその問題を直しますじゃなくて運用で気をつけますレベルなのでずっこけた」(原文ママ)
作業の時刻に驚く声もあった。「FXって人間が午前3時19分に作業しなきゃ回らんようなシステムなの? 働き方改革どこいった」(原文ママ)。この午前3時19分は、SBI証券の発表にも書かれている。
きっかけは、10月10日の未明の作業だった。その後始末で電話がつながるのは、平日の8時から17時までだ。
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