そこからは安全運転に切り替えました
――ある金メダリストが、レースを振り返って
写真はイメージ Photo by Matias Luge on Unsplash
アジア大会の金メダルでも、競歩の勝木隼人が代表に決まらないのはなぜか
9月27日、愛知・名古屋アジア大会の男子マラソン競歩で、35歳の勝木隼人(自衛隊体育学校)が金メダルを取った。タイムは3時間3分36秒。2位だった中国の周應成とは、3分04秒も離れていた。2018年ジャカルタ大会の50km競歩に続く、2個目の金だ。
Xでこの投稿を見る
ところが、この金メダルだけでは、2027年の北京世界陸上の代表には決まらない。日本陸連が決めた内定の条件は、アジア大会で金メダルを取り、そのうえで派遣設定記録を破ること。その記録は2時間58分00秒だ。勝木のタイムは、5分36秒遅い。
勝つ歩きと、記録を破る歩き
なぜ、優勝した選手が記録に5分も足りないのか。
理由は、審判だ。マラソン競歩には、両足が同時に地面を離れてはいけない、前の足は着いたときにひざを伸ばす、という決まりがある。歩き方が崩れると、警告が出る。
この日は、その警告が相次いだ。勝木は「大会前は世界記録も狙っていたが、ハーフの審判を見て作戦を変えました」と話した。そして、勝木にも警告が出た。「(1km)4分15秒になったとき、自分にも警告が出たので、そこからは4分20秒に落として安全運転で進めました」
ここが、ややこしい。2時間58分00秒で歩くには、1kmを4分13秒ほどで通す必要がある。警告が出た4分15秒より、さらに速いペースだ。この日の勝木は、記録より勝ちを選んだ。
次の機会は10月25日だ。山形で開く第63回全日本競歩高畠大会が、北京世界陸上の選考会を兼ねている。勝木はこの男子マラソン競歩にエントリーした。2時間58分00秒を破れば、代表に内定する。ここで届かなくても、2027年3月の日本選手権で優勝して記録も破れば、道は残る。
勝ったのに、その種目は五輪にない
もう一つ、引っかかる話がある。勝木が勝ったマラソン競歩は、2028年のロサンゼルス五輪にはない。
競歩の距離は、ここ数年で変わり続けている。50km競歩は2019年に廃止が決まった。2022年からは35km競歩になり、その35kmも2026年に42.195kmへ変わった。世界陸連は、ファンに親しみやすくし、多くの選手が出られるようにするためだと説明している。
だから勝木は、金メダルを取った日に、競技を広める話をした。「オリンピックに復活させたいという思いもあります」。始めた頃のことも話した。「僕らが始めた頃は街中で練習をすると笑われたり、すごく練習がしづらい感じがありました」
勝木はもともと中距離の選手で、大学2年の春に競歩へ移った。卒業後は実業団が決まらず、アルバイトの時期もあった。
ネットの評判
Xでは、勝木が9月29日に出した1枚の写真に反応が集まった。写っていたのは、子どもが作ったメダル。「よくがんばりました」と書かれ、真ん中には「パパ おめでとう」の文字。「思わずもらい泣きです」「これは泣いちゃうやつー」「お子さんにとって、自慢のパパですね」といった声が並んだ。代表の内定に触れる声は、読んだ出典の中には見当たらなかった。
あと5分36秒
10月25日に縮めるのは、5分36秒。42.195kmで割ると、1kmあたり約8秒だ。去年10月、勝木は同じ高畠のコースを2時間55分28秒で歩いている。日本人の最高記録で、2時間58分00秒より2分32秒速い。必要なタイムは、1年前に自分で出している。
中止が4公演。倉敷は、無事に終わった
徳永英明、喉の不調からツアー復帰
43万円の新型冷蔵庫、錆びて見える
Xで話題のアクア「AQR-DUX51B」
高校が遠くなると、
お金がかかる
――兵庫県で、1万3000筆の署名に出た声
- 【陸上】マラソン競歩アジア大会金・勝木隼人がエントリー! 柳井綾音が女子マラソン競歩に登録/高畠競歩
- 勝木隼人 マラソン競歩で自身2個目の金「2年連続で日本人最高順位がうれしい」/名古屋アジア大会
- 北京世界陸上 競歩はアジア大会金で即時内定、マラソン代表はMGCシリーズG1などで選考
- 世界大会の競歩実施距離が変更! 35kmは42.195km、20kmはハーフマラソンの距離に 26年から採用
- 【高畠競歩】エントリーリスト発表!愛知・名古屋2026アジア競技大会メダリスト、日本代表が高畠に集結!
- 【愛知・名古屋2026アジア競技大会】選手コメント/DAY5(9/27)モーニングセッション
- 【第62回高畠競歩レポート】日本初のマラソン競歩実施!勝木・内藤が初代王者に
- 勝木 隼人:日本陸上競技連盟公式サイト
- 陸上競技ガイド(競歩のルール):日本陸上競技連盟公式サイト
- 勝木 隼人|陸上競技|愛知・名古屋アジア大会|JOC
- 男子マラソン競歩王者の35歳が競技普及への思いを熱弁「街中で練習をすると笑われたり…」【陸上/アジア大会】
- 「これは泣いちゃうやつ」 日本男子が“世界最高のメダル”GET、実物にSNS涙「なんて素敵な…」【アジア大会】