合計点を見ないまま、日本勢初の金

体操・杉原愛子/アジア大会 女子個人総合

10/14 00:09 / 発信国:日本

一度は引退した27歳・杉原愛子がアジア大会体操で日本勢初の金 「20代後半でもできるんやで」

2026年9月22日、愛知・名古屋アジア大会の体操女子個人総合決勝で、27歳の杉原愛子(TRyAS)が55.599点で優勝した。日本の選手がアジア大会のこの種目で金を取るのは、これが初めてだ(NHK、9月23日)。2位は中国の柯沁沁で55.199点、3位は16歳の西山実沙で55.032点。日本の2人が同じ種目の表彰台に並ぶのも史上初だった(THE DIGEST、9月22日)。

この種目は、前回まで中国が13大会続けて勝っていた。その連覇が止まった(THE ANSWER、9月23日)。

杉原は競技の途中、自分の点数を見ていない。「自分の合計点は見ていませんでした」。点数を見ると、あまり良い演技ができないタイプなので、目の前の演技に集中することを課題にしているという。優勝を知ったのは全種目が終わってからで、「『あれ?』みたいな驚きの方が大きかったです」と話した(THE DIGEST、9月23日)。

2022年に引退し、会社をつくって戻ってきた

なぜ、27歳の優勝がこれだけ話題になるのか。杉原は2022年6月の全日本種目別選手権を最後に、第一線を離れた。2023年8月には株式会社TRyASを立ち上げ、23歳で社長になった。「体操をメジャースポーツにしていきたい」からだという(Number Web、2023年12月28日)。

では、なぜ戻ったのか。前回のアジア大会を、杉原はリポーターとして現地で見ていた。そこで出てきたのが「楽しそうやな、出たいな」の一言だ。引退から約1年後の2023年に復帰を決めた(東スポWEB、9月23日)。2024年のパリ五輪には補欠として帯同し、2025年10月の世界選手権(ジャカルタ)ではゆかで金を取った。

強くなった理由を、コーチの大野和邦は、好きで現役に戻ってからの意識の変化だと話す。「楽しんで体操を表現したいという部分に目を向けるようになった結果、成績もついてくるようになった」(東スポWEB、10月7日)。

ネットで広まったのは、表彰台の数秒

メダルを取った3人には、大会マスコット「ホノホン」の人形が贈られた。杉原と西山は人形をメダルで留めて胸の前に持ち上げ、そのやり方を2位の柯沁沁にも教えた。日本オリンピック委員会(JOC)の公式SNSがこの場面を出すと、「杉原選手、優しい」「フィギュアの技が受け継がれてる」という声が寄せられた。2026年2月のミラノ・コルティナ五輪で、フィギュアスケートの選手が同じことをしていたという(THE ANSWER、9月24日)。

団体の銀は、持ち越した

9月23日の女子団体は、日本が165.362点で中国に1.10点差の2位だった。杉原は「銀メダルを金メダルに変えられるように頑張りたい」と話した(東スポWEB、9月24日)。9月25日の種目別ゆかでは、杉原が14.033点で金、西山が銀だった(JOCの公式結果)。

次は、10月17日開幕の世界選手権(オランダ・ロッテルダム)だ。日本体操協会の公式ページ(10月9日更新)に、女子代表5人の1人として杉原の名前がある。

個人総合の優勝のあと、杉原はこう話した。「『20代後半でもできるんやで』というのを結果で証明できた」(時事通信、9月22日)。

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