18億3000万円を使ってアニメ外交
1月31日、コートジボワールでの公演
写真はイメージ Photo by ARTO SURAJ on Unsplash
アニメ外交に18億3000万円の要求
漫画とアニメを、外交の道具として使う。外務省は2027年度の概算要求で、漫画・アニメ・音楽・映画の発信に18億3000万円を求めた。向かう先はグローバルサウスだ。欧州やアジアに比べて日本の作品が届いていない地域で、「日本ファン」を増やしたいのだという(時事通信、10月10日)。
ただし、これは要求の額だ。決まった支出ではない。
先に走り出した事業がある。1月31日、コートジボワール最大の都市アビジャンで開かれたアニメソングとJ-POPの公演だ。主催は国際交流基金。バンドのFLOWが『NARUTO』の主題歌を歌った。このバンドがアフリカ大陸で演奏するのは、これが初めてだった。
ところが、人が入り切らなかった。ホールに入れたのは約600人。その外側に、約2000人がいた(時事通信)。
605席に、4倍の人
会場の公式サイトによると、席は605ある。入場は無料で、事前の予約が必要だった(国際交流基金の案内)。国の機関が押さえた席は、605。時事通信の二つの数字を足すと、来たのはその4倍を超える人数になる。
なぜ、そんなに来たのか。ここが、ややこしい。出典を当たっても、理由の説明は出てこない。来た人に動機を聞いた調査も見つからなかった。分かっているのは、当日の朝5時から並んだ人がいたこと。日本語の歌詞なのに、客席が一緒に歌っていたこと(THE FIRST TIMESのライブレポート)。入れなかった人数は、このレポートでは1000人以上、時事通信では約2000人と、出典によって開きがある。
では、来た人は日本政府のファンなのか。そこは分からない。ステージでFLOWのKEIGOは、フランス語でこう話した。「日本とコートジボワール、離れているけれど、僕たちはアニメと音楽でつながっています!」(同レポート)
外務省の幹部は、こうした作品が政府の戦略分野に指定され、これまでより大きく展開できるようになったと話す。「日本の発信を好意的に受け止めてもらえる人を増やしていきたい」とも言う。背景には、中国が新興国で影響力を強めていることがある(時事通信)。この先の案は、南米あたりでの公演、海外で日本語を訳せる人の育成、漫画のキャラクターと日本語で話せるアプリだ。
順番を並べ直すと、こうだ。作品が先に届いた。ファンが朝5時から並んだ。国が要求額を出したのは、そのあとである。アビジャンで用意された席は605。時事通信によれば、外に集まった人はその3倍を超えていた。
43万円の新型冷蔵庫、錆びて見える
Xで話題のアクア「AQR-DUX51B」
中止が4公演。倉敷は、無事に終わった
徳永英明、喉の不調からツアー復帰
高校が遠くなると、
お金がかかる
――兵庫県で、1万3000筆の署名に出た声
- 政府、漫画・アニメを外交活用 「日本ファン」新興国で拡大狙う(時事ドットコム、2026年10月10日14時32分配信)
- The Japan Foundation - Anime Song and J-Pop Concert in Cote d'Ivoire(国際交流基金の公演案内。日時、主催、入場無料・事前予約制)
- 【ライブレポート】FLOW アフリカ大陸初上陸!日本人バンド史上初となる世界五大陸ライブ制覇達成(THE FIRST TIMES)
- SALLE KODJO EBOUCLE(公演会場の公式サイト。605席)
- 国際交流基金について(国際交流基金。外務省所管の独立行政法人であること)
- ファイナンス 2024年4月号 No.701(財務省。概算要求から年末の政府案までの流れ)
- 大アビジャン圏都市整備計画策定プロジェクト(外務省。アビジャンがコートジボワール最大の都市であること)
- FLOW 五大陸制覇の旅 -前編-(YouTube、2026年2月3日公開。ページを取得できず内容は未確認)